- 2024/11/23
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急ぎの用があって、外来の待合室から病棟へ続く廊下を早足で歩いていた。
まだ診察は始まる前で、廊下にはほとんど誰もいなかったから、
勿論最大限に注意を払いながら、でも結構急いでいた。
ちょっとした関節炎の為に、私の足元はいつでも所謂健康サンダルだから
もともとの歩き方の下手なせいもあってか、ぺたぺたとどうにも足音が煩い。
早足で歩けば倍増だ。
古風なリノリウムの床と健康サンダルの足底の相性は実に微妙だったりする。
その音に気付いた杖歩行の入院患者さんが廊下の角で振り返り、
「忙しそうね。転ばないように気をつけるのよ?」
と笑顔で声をかけて下さった。
「ありがとうございます、気をつけます」
と返しながら少しばかり苦笑い。彼女の年齢は私の倍を楽に超える。
いただいた気遣いと、自分の足音の煩さに
色々な意味で大変に申し訳なく思った今朝の出来事。
君色時間~穏模様~更新しています。
病院の会計窓口で、患者さんと会計担当の職員である友人が話しているのが聞こえて。
恐らくは財布の根付けの事だろう、
「これね、亡くなった旦那の形見なの。一緒に旅行に行ったときに買ってね」
「もう随分前になるし、旅行だってどこへ行ったのかもう忘れちゃったんだけど」
「お財布変えても、これはいつも捨てらんなくて」
普段はあまりお話しをされるほうではない彼女は、それでも楽しそうにそう話していた。
窓口に背を向ける姿勢で書類の整理をしていたのだけれど
もしかしたら自分は、なんだか少し優しい顔になれたかもしれない。
・・・ありがとう、ございます。
片田舎の42床の病院で
内情は社会的入院が殆どである療養型病床群。
寝たきりで経管栄養の方が多く、頻回にお見舞いに見える家族は、まれだ。
ターミナルケア、なんてそんなきちんとした環境でもないが
殆どの家族は延命治療を望んではいない。
元気に退院される方はおらず、ベッドが空けばすぐに次の予定が入る。
だから地域からは必要とされている病院なのだろうけれど。
医療というものの理想と実体の間で時々揺れながら
気付けばもう随分と長い間、ここで仕事をさせてもらっている。
長いとは言えない年末年始休暇を終えて職場に戻れば
数少ない車椅子移動の患者さんが廊下で声をかけてくれた。
食事も自分で出来るし、時折なら杖歩行も出来る彼女に
時折面会はあるけれど、年越しに外泊をする家は無い。
話の出来る方もいるし、出来ない方もいる。
笑顔を見せて下さる方もいるし、早朝出勤の多いこちらを気遣って下さる方もいる。
医療職として、元気を与えたい自分のほうが
いつでも元気を分けていただいている。
考えてみれば人生の先輩方に自分が出来ることなんて、たかがしれているのだろうが。
そんな場所から
もしもできることならどこかの誰かに
何かを届けられたらいいと、ずっと思っています。
ほんの少しの元気の欠片でも
誰かに拾っていただけるのであるならば・・・。
ひとり時間~静模様~ 更新しました。
年末、と言われる季節の風景は
いつもと変わりないはずなのに、
どことなく何かが違って見えたりもする。
冬特有の凛とした空気と、
澄んだ色の、それでも少しだけ白のかかった空の青。
すっきりと晴れた今日は、大掃除日和か。
通り沿いのベランダに揺れる洗濯物もなんだか多いような気がして。
買い物に出たら、ミカンを多めに買ってこよう。
何となく慌ただしいような、それでもひどく安心するような
当たり前の、今日。
君色時間~穏模様~更新しました。